オーストラリアでの我が家の食事情
オーストラリアでの我が家の食事情
結婚した年から、年末に日本にいるとみんなが来て忙しいだけで終わってしまうので、我が家は年末年始は日本に居ないことにしようと言う主人の提案に、私はもちろん大賛成。
最初はヨーロッパ、アメリカ、カナダ、エジプト、メキシコ、ハワイなど、さまざまなところに行きました。
しかし、問題は主人の時差ボケです。お休みが終わっても暫くは本調子で仕事が出来ないことです。
そんな頃、オーストラリアにいいゴルフコースがあることがわかリ、以来30年通い続けています。
ヨーロッパのような歴史・芸術などは全くありませんが、夏好きの主人は、年に2回夏があり季節が反対なこと、時差が1時間、ゴルフコースが素晴らしいなどが気に入って、年に3回行っています。
ロスの後のブリスベンでのオリンピック開催が決まり、高層ビル・高速道路などの工事が急ピッチで進められ、経済も成長し、オーストラリアは元気いっぱいです。
そんな状況なので、オーストラリアの食事情もかなり変化しています。
このところで大きく変わったのは、野菜・果物です。
野菜は少し前まではレタス・トマト・玉ねぎなど極々一般的なものしかありませんでした。
しかし今は、オクラ・ナス・もやし・きのこ類・チンゲンツァイ・いくげん・人参などなど、新顔の野菜が続々と出てきています。
今年は大根・椎茸・日本と同じサイズのナス・ミニ白菜などが出てきました。
トマトも色・大きさが様々、ハーブ類はバジル・香菜・タイムなど豊富で、ブーケのようなボリュームなので、悪くならないうちに使い切るのが大変なぐらいです。
その中で変わらないのが、きゅうりです。ヅッキーニの長いようなものと、レバノンキューカンバーと言う香りが弱く、水っぽいキュウリしかありません。
日本の野菜事情とどこが違うのかというと、牛蒡や蓮根などの根菜類、ミツバなどの多種類の青菜、茗荷・しそなどの香味野菜、枝豆やそら豆がないことです。
うちはあまり食べませんが、芋類もじゃが芋だけです。日本で見るオーストラリアのグリーンアスパラは、太くて立派ですが、現地ではスリムなものばかりです。
ちょっと申し訳ない気持ちになります。
果物は種類が豊富で、美形になり、値段が安く、味も良くなり、日本と変わらずに満足できるようになりました。野菜と果物をよく食べる我が家にとっては、暮らしやすくなりました。
乳製品は国内産のものが充実、ナチュラルチーズなども豊富です。
肉は値上がりしてきていますが、日本よりは安くて種類も豊富です。
日本と違うのは薄切りがないことです。ですから炒め物を作る時は、自分で薄切りにします。
ソーセージやハムも種類が豊富、ソーセージは生のものも売られています。
スーパーの肉売り場は、魚売り場の6~7倍といった感じです。
この30年スーパーで買った魚といえば、スモークサーモンだけです。
魚は海岸の近くにある魚屋さんまで買いに行きます。
最近はサーモンやカンパチのような魚の刺身も売っていますが、牡蠣や丸のままの魚をで売っています。
気に入っているのは生のタコです。生のものを自宅で茹で、刺身・カルパッチョ・キムチ和えなどにしています。日本で手に入るタコよりも旨味がありかなり楽しめます。だだし大きいので、1回に1本食べるのがやっとです。小分けにして冷凍にしますが、全部は食べきれないので、友人にお裾分けしています。
我が家の自慢は、川で獲れるカニです。
網にドラムスティックを入れてかけておくと、毎回とはいきませんが、かなりの確率でマッドクラブが獲れます。
バケツに入れて水を張って、泥を吐かせ、お塩と酒を加えて茹でます。(下記写真)
身がぎっしりと入っていて、甘みがあって美味しいのです。
日本と全く違うのは、お惣菜類やインスタント物が少ないことです。
何しろ製造業が非常に少なく、食料品だけでなく、車・電化製品などのほとんどが輸入品です。国内で作るよりも、輸入品の方が優れているという考え方です。
最近オーストラリア製のクッキーが売り出され、まあまあの味なのですが、袋の口の止め方が実にいい加減で(下記写真)、日本だったらクレーム対象になるのが殆どです。なので、製造業には向いていないことがよくわかります。
日本とはかなり違う食の環境ですが、自分で作れば、日本と同じような食事ができるようになりました。
経済の成長に伴って、食の環境が充実してくるのが、オーストラリアで体験できました。そういえば、日本でも高度成長の時に、食生活が大きく変わりました。今の日本の食生活を見ていると、政治や経済が健全になり、もう一度健全な食生活に戻さなくてはいけないとつくづく感じます。

ダイエットクリエイターとして、健康管理ができる食生活、特に野菜摂取の啓蒙をすすめている。
近著に『腎臓病の食品選び早わかり』『 野菜のとり方はやわかり』『栄養アップ!カロリーアップ!の料理アレンジ早わかり』など。
*写真は、仁くすのきさんのメーク講座でモデルをした時のものです。