2024年10月号 「バレエ・フォー・ライフ」に圧倒された日。 「バレエ・フォー・ライフ」に圧倒された日。 先日、モーリス・ベジャール・バレエ団の2024年日本公演に行ってきた。 その日は祝日だったせいか上野駅公園口は家族連れでにぎわっていた。 50代の頃はモダンダンスや創作ダンスに熱を入れていたが、最近はご無沙汰だったので、ベジャールに魅かれて友人と出かけた。 プログラムはAプロが「バレエ・フォー・ライフ」。 世界的ロックバンド、クイーンの音楽を使って、ロックとバレエを融合させた奇跡のステージらしいので、期待半分で会場に入る。観客は女性ばかりだ。しかもファッションセンスがよく大人の雰囲気の人が多い。 最初のシーンは白一色の群舞で、「つまらなそう」と失望しかけたが、中盤から終わりにかけては、音楽、衣装、ダンス、振り付けのしゃれていることと、品のいい美しい舞台に圧倒された。 フレディ・マーキュリーの魂の叫び声に合わせての強烈なダンスにこちらの魂まで揺さぶられた。 故ジョルジュ・ドンの苦しいほどのダンスの映像も素晴らしかった。 その作品に係わったベジャールをはじめ、フレディ・マーキュリー、ジョルジュ・ドン、そして衣装を担当したジャンニ・ベルサーチはもういない。 天才たちは、作品を残し、あっけなくこの世を去ってしまったのだ。 一方、凡人のわたしはつまらないことで悩んだり、現実的、世俗的にまだ生きている。 さあ、これからどう生きたらいいのか。 課題をもらった舞台だった。 松原惇子 女性の心理をルポしたり、一人暮らしの安全ネットワーク活動への持続努力には感服する。 バレエを踊り、シャンソンを歌いして、その「自分大好き!」の幸せぶりが周りを笑顔にしてきたエッセイスト。 SSSネットワーク活動は、https://www.sss-network.com/でご覧ください。 2024年10月号, 魂を揺すぶる舞台に出会う 秋口への愛、胃にも夜空にも。 読んだ本や映画のチラシも取り込んで。