気を流そう!気分がいいと体も喜ぶ。
気を流そう!気分がいいと体も喜ぶ。
笑顔いっぱい活躍するシニアの記事やTV番組は多いですねえ。でも、それを目にしても「私に元気になれ、といわないで!できないのだから」。
がんばれ、がんばれ、の声援は空回り。
気分が落ち込む、やる気が起きない、なのに突然イライラして声をあらげる。
こんな状態を、昔から中医学では”鬱(うつ)症”といって来ました。
鬱とは滞りです。
最初は、”気”が滞ることから始まります。
眠れない、夢ばかり見る、胸や脇腹が脹る、食欲がない、動悸、めまい、喉に異物が詰まったようで呑み込めない…
いかがです、そんなことってありますか?
やがて血が滞り、痰鬱、湿鬱、食鬱、火(熱)鬱などへ。血栓ができたり浮腫がでたり。
実際に身体症状が出てきます。
気の流れがよくないだけで病気になるの?
そうです。気とともに血も水も動くのですから。気の滞りは血や水へと波及します。
60代は心気が衰えて悲しむ、という話を以前に書きました。
五臓は心情と関わっていて、心と言えば喜び、肝といえば怒り。
心気が衰えると、何をやっても楽しくない。
また肝気が上にあがると、ちょっとしたことでイライラ、カーッとなる。
どうすればよいのでしょうか?
中医学では、悲しみは患者を怒らせて克服させたり、原因を本人が納得するまで話して笑顔にさせる、全く別の事に集中させる、などいろいろあります。
例えば、患者からたくさんのお金を受け取っておいて治療しないで逃げてしまい、患者を激しく怒らせて、血を吐かせて病気を治した、という凄まじい例も。
私たちにはそこまではできませんが、気分が沈みこむ人は、家に閉じこもらずに外に出ること。外に出ないと治らない、といわれたら
これはできるでしょうか。
考え方にはその人のクセがあるので、どうしても落ち込むループにはまり込むことがあります。「どうせ…」と考え始めたら、そこから抜け出す思考を自分で作っておく。
また、太陽の光を浴びながら、深く息を吸ってゆっくり吐く。この瞬間だけを意識して。体が喜んでいると思うだけで、気分がよくなりますよ。
“気”はエネルギーです。人に会うことはエネルギーの充電にもなります。
“気”は体表にも溢れているので、丈夫な人の気の層は厚く、虚弱な人の気の層は薄い。
オーラというのは、その人の溢れ出た”気”。
中医学の古典『黄帝内経』では、内臓の気が体表に表れてその色が見える、とあります。
心臓は赤、肝臓は紫、肺臓は白、脾臓は黄、腎臓は黒。
気功では、自分の指先から”気”を見る訓練をします。腎臓の黒はほとんど見えない、と私の師匠はいいますが。
物凄く怒っている人のオーラは、肝臓と心臓の気の色で赤紫に見える。
イライラしている人や嘆き悲しんでいる人、不安が強い人の”気”は乱れているので、うっかり近づくと自分の”気”まで乱されます。
病院にお見舞いに行った後は、何だか疲れませんか?
“気”が弱っている時は、穏やかで優しく、温かく受けとめてくれる人に会った方がいい。
そして、自分の気が乱れたなと感じたら、気功の振動功をどうぞ。
足を肩幅に開いて、つま先で立ってからストンと踵をおろします。とんとんリズミカルに60回位。乱れた表面の””気”を整えます。
では、漢方薬のことを少し。
昔からよく使われるのは、
情緒不安定でよく泣くなら「甘麦大棗湯」
イライラするなら「加味逍遥散」
落ち込みには「柴胡疎肝散」
喉の異物感には「半夏厚木湯」
考え込んだり不眠や動悸には「帰脾湯」
でもまあ、漢方薬に頼るよりも、私たちの年代は友達に会って”気”のエネルギーを交歓した方が効き目はあると思います。
国際中医師 国際医学気功師、国際中医薬膳師。
50カラット会議時代から週1回私たちに気功指南して、現在は水曜日10時からオンライン講座がある。