2024年7月号

さらば団地よ!

さらば団地よ!

2週間前までは、団地の善し悪しを秤にかけて迷っていた私だが、団地を去り、新しい住まいを購入する決心をした。
この話は親しい友達にはしていない。
というのは、絶対に「今さら?」というに決まっているからだ。みんな、いい人たちだけど、このたびは、人の意見を聞かないことにした。だって、また迷うからだ。

購入する気になった理由は、2年間の母をめぐるごたごたが終わり、精神的苦痛も消え、体調も良くなり、自分の将来を冷静に考えられるようになったからだ。
健康体であることがいかに大事か。

2週間前までは、「ひとり身だから」と弱気になっていたが、購入を決めてからの私は「ひとり身が何なの」と強気だ。
その決断をするきっかけは、虚弱体質だと思って通っていた鍼灸マッサージの先生から、「体は丈夫でエネルギーがある」と言われたことにある。
エネルギーがなくマイナス思考に陥っていたから通っていた鍼なのに、エネルギーがあると言われたときの混乱ショック!! えっ、もしかして、私はただ弱いと思い込んでいただけなのか。
帰り道は、新しい家のことで心が久しぶりに弾んでいるのを感じた。
なぜ、団地で老後を暮らしてもいいなんて考えたのか。今になると、どうかしているとしか思えない。

さらば団地よ!私は新しい家に引っ越します。
「今さら」と驚かれても、その人がお金を出してくれるわけではないので、引っ越してから教えることにするわ。77歳で家を買っちゃいけない法律でもあるの?
お金は老人施設の入居金としてとっておいた方がいいという人は多いが、人はそれぞれ。あなたはそうしたら?
人生のシャッターはいつ降りるかわからないのに、77歳のこの若さを楽しまないでどうするの?

わあお、惇子さん、いい感じです。この強気な発言、久しぶりですね。
キャー嬉しい!!私、復活したわ。
というわけで、只今、不動産屋さんと物件探し中です。

松原惇子
女性の心理をルポしたり、一人暮らしの安全ネットワーク活動への持続努力には感服する。
バレエを踊り、シャンソンを歌いして、その「自分大好き!」の幸せぶりが周りを笑顔にしてきたエッセイスト。
SSSネットワーク活動は、https://www.sss-network.com/でご覧ください。