食べてないのに太るのはなぜ?対策は“腎”と“脾”を補うことから。
食べてないのに太るのはなぜ?
もう15年ほど前になりますが、気功を始めてからしばらく経って、試験のために毎日せっせと気功を練習していました。すると体重がスルスルと7kgも減った。食生活は何も変えてないのに。
いまから考えると、代謝が一気によくなったのですね。
代謝のことを中医学では“気化”と表現します。口から食べたものや水分を気(エネルギー)に変える。この気化作用が衰えると、水がたまってむくみが出る、消化しきれずに痰湿(脂肪といえばいいかな?)となって肥満する。
普通は、太る原因は「食べたのに動かないから」。摂取したエネルギーから消費した分をひいて、あまりが脂肪となって体にたまる。よく言われますよね。
でも、ちょっと待って。更年期を過ぎた年代では、そうとも言い切れない。そんなに食べないのに太ってくる。単純な足し算引き算では説明がつきません。おまけにすぐ疲れる、体が重い、息切れもある。
中医学の名医・周次清先生の言葉を見つけました。「高齢の患者さんは、かならず背後に臓腑陰陽気血の衰退があるので、虚の角度から体を整えなければならない」。
これは高齢者の高血圧治療のときの説明ですが、肥満にも当てはまると思います。
つまり、働き盛りの年代に対する攻撃的な対策ではなく、“虚”を補うことから始める。
では、われわれは何をすればよいのか?私が思うに、まず“腎”と“脾”を補う。
腎とは、五臓六腑の根本、生命の源であり、腎の気が衰えると老化が進むと考えるのですね。
腎気が衰えると寒がりになり、血行も水の巡りも悪くなる。水太り。
脾とは、現代医学とは概念がちょっと違って、食べた物を体に吸収しやすい形態にまで変化させて全身に運びます。脾が弱いと転換することができずに痰湿となってとどまってしまいます。脂肪太り。
では、私たちはどうすればよいでしょうか。
私が思うに、まずは“腎”と“脾”を補うことから始めたらどうでしょう。
そこで、腎を補うには、黒ごま、桑の実、栗、黒米、えび等。
脾を補うには、山芋、じゃがいも等。
他にもいろいろありますが、毎日食べ続けるのはどうもという方は、次の気功をどうぞ。
気功の動作はもっとたくさんありますが、見たこともない動きを文字で説明するのはとても難しいので、とりあえず簡単なものをご紹介します。
① 腎を強くする気功
腎気が弱ってくると、朝や夜に腰痛がでてくる場合があります。膝がだるく痛んだり力が入らないことも。こんなときは、骨盤の上、腎臓のあたりを手の平で上下にこすってください。
② 脾胃を強くする気功
仰向けになって、胃に手のひらを当てます。女性は右手を下、左手を上に重ねて。胃を揉むように、右回りに30回、左回りに30回ぐりぐりと回します。これは毎日やってくださいな。
国際中医師 国際医学気功師、国際中医薬膳師。
50カラット会議時代から週1回私たちに気功指南して、現在は水曜日10時からオンライン講座がある。