2024月11月号

靴下を編みながら。

靴下を編みながら。

11月、霜月。
空には鱗雲だし、宵が迫れば月の満ち欠けも気になる秋の日が進んでいます。
朝のあれこれが一段落すると、靴下を編むぞ!と暇つぶしの手仕事は編み棒になりました。
毛糸は手触りも彩りも様々で、靴下の編み方は何通りもあり、靴下という簡単な形ながら思いがけなく楽しめるので、当分続きそうです。

編み棒を動かしながら、ふと自分の来し方を思い出すことがあります。
小さい頃から、いつも心ここにあらずなぼんやりだったせいか、観察力も記憶力もイマイチですが、今になって(あの時がそうだったのじゃないか!?)と苦笑いして思い出すことがあるのです。
頑張りどころを逃したり、素敵なアプローチに気づかなかったり、、。
そんな折、2つの素晴らしい回想文に出会いました。
1つは、この号に寄稿いただいた工藤和子さんの「ルーツを訪ねた旅」、もう一つは私の15歳年上の姉からの「弟たち妹たちへの遺言」です。
後者は、私が生まれる前の両親を中心に暮らしを支え時代を楽しんだ周囲の人々が温かく語られ、戦中戦後に姉と家族を襲った出来事が綴られています。
この二つの回想は、ほとんどに私には明確な実感がないのですが、体のどこかに潜んでいた記憶を蘇えらせる機会になりました。
たくさんの本を通して知ったはずの昭和からの100年の歴史が、やっと自分の歴史に繋がった気持ちです。
ありがとう、工藤さん、姉上。
姉の回想は、よそ様には意味のないことを除いて、ぜひ皆さんにもお読みいただきたいので、姉の了承を待って次号にでも。

次号といえば、もう今年最後の月。
♬12月号は、皆さんからの「今年を振り返って」を特集します。
今年味わった「そうだったのか!」の感動や苦々しく歯噛みしたことなど、一筆お願いします。
葉書1枚の簡単なものから、巻紙状に長〜い回想まで、お待ちしています。
宛先は、志垣まで。
shigakitoyoko@gmail.com です。

12月号は、12月15日頃発信の予定です。
お元気でお過ごしください。 志垣拝。

志垣豊子
50代で50カラット会議、60代でドリカム60、70代からはtry70。
歳を取るという初めても、同じ土俵にいるもの同士、体験や知恵知識を出し合うと、大抵のことは大笑いした挙句、そりゃいい!という落とし所が見つかる体験がありました。
try70.netがそんな場になりますように。