2024年9月号

お米が消えた!

お米が消えた!

先日、スーパーに行ったら、お米の棚からお米が消えていた。
マスコミが南海トラフ地震とか今世紀最大級の台風が来るとか騒ぐので、皆が買い占めに走ったことが原因のようだ。
もうすぐ新米が出るらしいが、マスコミの言うことは信じられない。
そのうち「新米も不作で量が足りません」というのではないだろうか。
これは、わたしの読みだが、専門家やマスコミは、先に災害が来ることを言っておけば、あとで責められずにすむ。責任回避ですね。

ただ、災害のときは、ひとりみはいい。ひとり分ならお米だって5キロあればなんとかなるからだ。
しかし、そう言いながらも、もっと備蓄が必要かなと急に不安になり、群馬在住の友人に2キロ入りを2袋買ってほしいと電話した。
気のいい友人は、すぐに30年来の付き合いのあるお米屋さんに走ってくれた。
すると、お米屋さんはこう言ったそうだ。
「お店で売れるお米はないよ」と。
お米屋のおやじによると、いろいろなところから電話かかってくるが断っているという。
ただし、昔からひいきにしてもらっている人には、分けられるようにしてあると。これですよね。

平時はスーパーでお金さえ出せばなんでも買えるが顔なじみを持たない人はパニックになりそうだ。
群馬でもお米が不足していることに、わたしは少なからずショックを受けた。
若かったら移住して自給自足をやりたい。
でも、膝は痛いし、車は処分してしまったし、一緒に行ってくれる相棒はいないし・・・ひとりで移住してもいのししに追いかけられるだけだ。ちなみにわたしは、いのしし年だ。

先ほどは「災害のときのひとりはいい」と言ったが、訂正したい。
高齢ひとりみには通常でもきつい。
実は、昨年、那須に移住を本気で考えたことがある。東京は暑いし、2拠点生活もいいなあと。
しかし、想像しただけでおっくうになった。
それに、わたしの根っこは東京だ。植物ではないが、植え替えたら弱ってしまうだろう。

7月号のコラム「さらば団地よ!」にも書かせていただいたが、実家はもうないが、馴染みのある地域のマンションを購入して引っ越すことにしたのは、どんなに大変な時代になろうと、地球がひっくり返ろうと「ここから動かない」自分に対する宣言でもあるのだ。

松原惇子
女性の心理をルポしたり、一人暮らしの安全ネットワーク活動への持続努力には感服する。
バレエを踊り、シャンソンを歌いして、その「自分大好き!」の幸せぶりが周りを笑顔にしてきたエッセイスト。
SSSネットワーク活動は、https://www.sss-network.com/でご覧ください。