2024年6月号

Saved by Nature活動のハイキング

Saved by Nature活動のハイキング

3月末から4月中旬まで日本に一時帰国しました。
桜の開花が遅かったとはいえ、アメリカに戻る前までには見事な満開の桜を楽しめました。
やっぱり日本の桜は格別と浮かれる気持ちの片隅で、実はちょっとそわそわした気持ちにも。
カリフォルニアに戻って、ワイルドフラワーを見に行かなければ!

カリフォルニアは10月から4月初旬が雨季。
夏にはカラカラに乾いて枯れ草に覆われる丘も、冬の間の雨のおかげで、この時期には一面鮮やかな緑に。
そこに色とりどりのワイルドフラワーが顔を出します。
乾季には雨は一滴も降りませんので、毎年季節限定の光景です。
さらに「スーパーブルーム」といって、丘一面見事に色鮮やかな花が咲き広がる特別有名スポットもあり、3月末から5月ごろまでの間、週末には大勢の人が押し寄せるところもあります。
私は今や仕事を続けているといっても半引退の身、すでに退職した同年代の友人たちとお弁当を持って、平日に朝夕の交通渋滞を避けてゆっくり出かけます。
5、6キロ歩きながら自然を堪能し、野に咲く花を楽しむ最高の季節なのです。

ところで、私の住んでいるところには、Saved by Natureという名前の非営利団体があります。
創設者のリチャードは、子供の頃あまり恵まれた境遇ではなかったけれど、おばあちゃんが自然に触れる機会をくれて、悪い道へ進まずにすんだという50くらいの男性。
文字通り「自然に救われた」ということでこの団体を作り、どんな境遇の子供たちにも自然に触れ合う機会をと、自然の中に連れ出す様々な無料プログラムを提供しています。
その上、青少年だけでなくシニアたちにも自然を楽しんでほしいと、我らシニア向けのハイキングイベントも開催しています。
月一の定期イベントで、毎回20名くらいが参加しますが、50代の人もいれば、おそらく80代ではないかと思われる人もいたり。
登録さえすれば誰でも参加可能です。
ハイキングといえど10時集合13時解散で、歩くのは3〜4キロ程度。
リチャードは植物や昆虫などの知識が豊富で、何か見つけるたびに色々と説明してくれます。
のろのろゆっくりのペースなので有酸素運動にはなりませんが、和気藹々とした自然を楽しむウォーキングです。
さらに寄付金や助成金のお陰で、参加は全て無料。
途中で食べるランチのサンドイッチ、水やスナックまで無料で用意してくれます。
こういった活動に賛同する参加者も多く(私もですが)、メンバーになって会費を納めたり寄付をしたりで応援しています。
シニアハイキングは一年中毎月ありますが、3月から5月の春の季節の行き先はやはりワイルドフラワーの咲く丘陵地。
夏の盛りには海岸沿いや日陰の多いレッドウッドの森林を歩きます。
この自然の恵み、子や孫さらにその後の世代にも壊さず受け渡せますようにと祈りつつ帰途につきます。

直井幸子
「サンフランシスコの南、シリコンバレーのど真ん中に住んで40年。周辺のIT企業をクライアントに通訳サービスを提供してきました。子育てもとうに終わって、人生のプライオリティは変わったものの、懲りずにまだ細々と仕事を続けています。脳活のためと称して、でも実は楽しいからやめられないのかも。」
Saved by Natureで検索すると、山ほどの活動スナップが見られます。