2024年4月号 4月 新たまねぎの丸ごとスープ煮 【4月】新たまねぎの丸ごとスープ煮 春は何かと〝新〟がつく季節。新入学、新社会人、新生活、、。 そして食卓には、新たまねぎ、新キャベツ、新じゃがいもなどが登場します。 こうした食材を見かけると、春めいてきて嬉しくなり、何を作ろうか、どう食べようかと楽しみになります。 新物は水分が多くて傷みやすいので、一度に使い切れるメニューがお薦め。 新たまねぎでよく作るのは、丸ごとスープ煮。私は1度に3個のたまねぎで作ります。1回で3度楽しめるメニューですよ。 3個の皮をむいて、鍋にきっちりおさまるように入れます。 ベーコン2~3枚、ブイヨンの素1個、ローリエも1枚。家の近くの路地にはローズマリーなどもあるので、そうしたハーブもあれば1枝ぐらい入れます。 あとは、かぶるぐらいの水を注いで火にかけ、沸騰したら火を弱めて紙ブタをして、やわらかくなるまでコトコト煮るだけです。 くたくたに煮えた新たまねぎが甘く、おなかにもやさしいスープ煮です。 まず1個めは、粗びき胡椒や粒マスタードを添えていただきます。春は体が酸っぱいものを欲するので、粒マスタードの酸味がおいしく感じられます。 残りの2個は、ケチャップやカレー粉、味噌などを加えて、味変わり。ソーセージを入れればおかずになり、朝食にも、軽い夕食にもなります。 煮返しているうちに、たまねぎがとろとろになるので、パンを浸して食べたりもします。暖かくなったとはいえ、朝晩、温かいものがほしくなるこの時期にぴったりで温め直すだけですぐにいただけます。 シンプルな味つけで作っておいて、味変わりしながら食べるので、飽きません。 体調によっては調理をするのが難しい日もありますが、そんな時でも、これなら楽においしく食べられます。野菜は1日350g食べましょう、といわれていますが、たまねぎ1個で半分以上とれたことになります。 こんなふうに簡単に作れるメニューで、季節を感じながら、いかにおいしく食べるかを大事にしています。 高城順子 料理研究家。 50カラット会議時代からイベントでのプロデューサーを務めていただいた。「願いを1つと言われたら、旅行用の胃袋を!」だとか。食べ歩きの相談には全幅の信頼がある。 2024年4月号, 料理研究家の食卓 4月 私の街散歩2 4月 思い出しましょう、昔の姿勢!